しんいちろうの控えめ日記 第三章

アジア杯を制したサッカー日本代表・ザッケローニ監督を見ていて思った。
人は何歳になっても『先生』が必要なのかもしれないな、と。


ザッケローニ監督の選手への接し方を見ていると、『監督』というより『先生』みたい。
ザック先生は試合や練習中はもちろん、食事の時や移動中も常に選手一人一人をよく観察し、話し掛けているという。


どんな人でも、誰かに見ていてもらいたいし、誉めてもらったり叱ってもらいたいという気持ちはあるだろう。
『先生』というのは、勉強を教えたり試練を与える事よりも、そうやって自分を見てくれて、理解してくれる存在であるべきな気がする。


僕にとっての『先生』は小学６年の時の担任・吉田末子先生だった。
吉田先生は当時５０歳近かっただろうか…。銀髪のおかっぱ頭で、授業をしている時も、テストの採点の時も、給食中だって常に生徒全員を見ていた。そして理解しようとしていた。

小学校を卒業してから、そういう『先生』に出会ったことはない。
高校に入ってからの先生なんて、僕にとっては『授業をする人』でしかなく、それは『先生』から程遠かった。
人に心を開かない、歪んだ性格の僕にも原因はあったのだけれども。



お笑いをはじめて少しだけテレビに出始めた頃、まさき氏と一緒に吉田先生に会いに行った。
宜野湾の大山小学校で校長になっていた吉田先生と、地元の寿司屋でご飯を食べながら色んな事を話したのだが、僕らよりも当時の事を覚えていてびっくりした。
そして、『お笑い芸人』というふざけた仕事を選んだどうしようもない教え子二人に、説教や忠告をするわけでもなく、ただ、

「応援しているよ。」

とだけ言ってくれた。
そのシンプルな言葉にどれだけ救われたことか…。

残念ながら吉田先生は４年前にこの世を去ってしまったが、（ちなみに吉田先生の甥っ子さんはＦＭ沖縄でパーソナリティを務める吉田鉄太郎さんです）どこに行ってしまったとしても、『先生』はいつまでも『先生』だ。



『先生』という存在を持っている人は強いと思う。
何歳になっても、自分を見てくれる人。誉めて叱ってくれる人。
『先生』のおかげで迷いがなくなる。


よく、大企業の社長さんとかが、占い師（沖縄だったらユタとか）なんかに相談に行くのもそういう面があるんじゃないかなー。
地位なんて関係なく、はっきり言ってくれる存在が欲しいんじゃないのかなって。偉くなったら周りはなかなか叱ってくれないもんね。


サッカー日本代表のザッケローニ監督も、戦術やサッカー理論はもちろんだけど、そういう『先生』的な人間力で強いチームを作ったんじゃないかな、なんて思うのです。



そんな事を考えている僕ですが、昨日、日本代表の試合を見る前にフットサルをやってきまして…。おかげで今日は全身筋肉痛です。

誰か僕に、腕のいいマッサージの先生を紹介してくれないでしょーか…。